これは「ルパン・ザ・ファイヤー」で心に傷を負った人の物語

話をしよう

あれは確か・・・そう1日前の話

あの日会社の同僚と一緒にバーベキューをしに行ったんだ

病み上がりの俺は全然食べれなかったけどそこそこ笑いも取り、俺らしい仕事は出来てまぁ満足であったとしよう

事件は二次会、カラオケ

病み上がりで喉を痛めていたがなんとか食らいついてそこそこの仕事をした

時間は3時間ぐらい経った頃かな

みんなだいぶ疲れて空気が重くなっている

ほら？俺はエンターテイナーだろ？

なんかしたくなっちゃってね、激し目の曲入れたくなっちゃった

迷ったのは「ルパンザファイヤー」と「魂のルフラン」

結果を知った今だから言えるが両方地獄行きが決まっている、この時点から詰んでいた

一応「甲賀忍法帖」も迷ったけどそれを選んでいたら骨も残らなかっただろうね

そしてルパンを送信。ここまではドヤ顔である、こんなピエロ中々に珍しい

そして自分の番、席を立つ

その瞬間だった。今まで空気を読むことを生業としてたが故に感じる気配

（あ、これまずいやつだ・・・）

汗が吹き出す 

歌う前からわかるんだよ職業柄、気配って奴が

しかし後には退けぬ、腹をくくれ

さぁ最初のサビ、これがまたヘッタクソなんだ

しかも元々全力で歌う趣向の曲だからめっちゃうるさい

この平成でまさかのジャイアンリサイタルだ

そして俺はジャイアン

ステージを途中で降りる訳にはいかない

選曲で滑った場合の対処として２つの方法がある

１つ、演奏中止を押す

２つ、最後まで全力を貫き通す

初心者がありがちなミスだが前者は間違えだ

早々に立ち去りたい気持ちもわかるが演奏中止を押すと「え？」みたいな雰囲気になる

あれはヤバい

ここは後者だ、攻撃が最大の防御

俺は目をつむりただひたすらにリサイタルを続けた

画面以外見るな！見たら終わる

見たら終わる

見たら・・・

チラッ

女の子が1人あくびをしていた

「しまっ・・・！」

手に持っているのがマイクではなく刀だったら自分の首を跳ね飛ばすところだったぜ

しかし今俺にある武器はマイクだけ

ならば歌おう、この魂が燃え尽きるまで

最後のイエイまで歌い切った

拍手があったかどうかさえ覚えていない

席に座り、即タバコに火をつける

あとは1人反省会

その後はあまり覚えていない

事件翌日、つまりは今日

一日中自己嫌悪しすぎて気持ち悪くなったんでここで吐き出させていただきました

以上です、ご静聴ありがとうございました